「てるみくらぶ」と「はれのひ」の社長が、各々(融資)詐欺罪で起訴され
先月、「てるみくらぶ」の件では懲役6年の判決が出ました。
二つの事件は、多くの一般消費者が被害を受けた社会的な事件で、そのこと自体
は決して許されるものではありません。ただし、私は(融資)詐欺罪での立件や起訴
については報道とは異なる見方をしています。
そもそも「(融資)詐欺罪」って、初めからから融資金を騙し取ろう(嘘の業績資料で
融資金を引き出したら返済する気はない)というケースが該当するのではないかと思う
のです。では、今回の二人の経営者がそのように考えていたのでしょうか。私は、そう
は思いません。
推測にしか過ぎませんが、事業を継続するため(仕入先に仕入代金をはらうため、従業
員に給料を支払うため、お客様を始めとするお取引先の皆さんに迷惑をかけないため)
必死に資金繰りを行った結果であろうと思うのです。
中小企業が全体の99%を占め、その約7割が赤字企業と言われる日本経済の中で、実態は
赤字なのに決算書を粉飾・偽造して、黒字のふりをして金融機関に決算書を提出している
企業がたくさんあります。
金融機関から融資支援を継続するために、実態は赤字なのに黒字決算を申告し、税金を
負担してまで金融機関からの事業資金を必要とする企業がたくさんあるのです。問題とな
っている2社についても、そのような要素があると見ています。
民間金融機関は、調子の良い会社には、資金使途など関係なく、何とか融資金を使ってく
れと言って貸し付けている現況があります。一方、融資のプロである金融機関が中小企業
に返済できなくなった企業に対し、騙されたと言って(融資)詐欺罪で告発するというの
も何とも恥ずかしい事例です。
これは個人的見解ですが、引き続き中小企業の資金繰り支援を一生懸命応援します。
経営支援部 大橋
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