カスハラ・就活セクハラ対策の義務化について

2026.09.07

労務

カスハラ・就活セクハラ対策の義務化について

カスタマーハラスメント、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の義務化について

令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)の防止措置と、求職者等に対する
セクシュアルハラスメント(以下「就活セクハラ」)の防止措置が、事業主の義務となります。 これまで対策が義務付けられていたのはパワハラ・セクハラ等社内の従業員間の問題が中心でしたが、
今回の改正により、ハラスメント対策の範囲が社内から社外との接点にまで広がります。具体的には、
「社外の顧客等から自社の従業員を守ること」と「自社の従業員から社外の求職者を守ること」が新たに義務となります。

1.義務化される2つのハラスメント対策

カスハラ対策
顧客、取引先、施設の利用者などの言動であって、社会通念上許容される範囲を超えたものにより、
従業員の就業環境が害されるものが対象です。

就活セクハラ対策
自社の従業員による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されるものが対象です。
採用面接や就職説明会のほか、インターンシップ、OB・OG訪問、教育実習なども含まれます

2.会社への影響

対象は従業員を1人でも雇用するすべての事業主です。
措置を講じない場合、行政による助言・指導・勧告や企業名公表の対象となります。
また、対応を怠ったまま被害が生じた場合には、安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われるおそれもあります。

3.今から進めたい4つの準備

1.方針の明確化と就業規則等への明記
カスハラには毅然と対応し従業員を保護する旨、求職者等へのセクハラを行った者は厳正に処分する旨を定め、従業員に周知する。

2.相談窓口の設置と周知
相談体制を整備し、カスハラについては従業員に相談窓口を周知する。就活セクハラについては採用ホームページやポスター等を通じて、求職者等に相談窓口を周知する。

3.採用活動のルールづくり
面談の時間・場所の指定、実施体制、やり取りに用いるSNSの種類の指定などを定め、従業員と求職者の双方に周知する。

4.研修による周知
方針や規程を定めるだけでは、実際の場面で従業員は動けない。研修を通じて内容を伝え、いざというときに対応できる状態にしておく。

まずは自社の就業規則と相談窓口の現状を確認し、10月の施行に向けて準備を進めましょう。

なお、ご紹介した内容は、事業主が講ずべき措置の一部です。詳細や、対策に活用できるポスター・研修動画、
企業マニュアルについては、厚生労働省のポータルサイト「あかるい職場応援団」をご確認ください。

制度設計や実務上の対応についてご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

税理士 野村健典

野村健典 (のむら・たつのり)  社会保険労務士(MAC社会保険労務士法人代表社員)

所属:MAC社会保険労務士法人/名古屋本社/経営支援部

MAC社会保険労務士法人の代表社員として、労務トラブル対応、M&A・組織再編に伴う人事労務支援、労務監査を担当。愛知県を中心とする東海地域の中小企業に対し、労務リスクの改善、就業規則や労務管理体制の整備に加え、M&A・組織再編時の雇用契約、処遇制度の整理などに関する支援に従事。

専門分野: 労務トラブル対応、M&A・組織再編に伴う人事労務、労務監査

一覧を見る

カテゴリー

タグ

  • タグは設定されていません