2代目社長のための100年続く経営術──親が安心して会社を譲れる! 単行本(ソフトカバー) – 2013/11/28

2023.08.31

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2代目社長のための100年続く経営術──親が安心して会社を譲れる! 単行本(ソフトカバー) – 2013/11/28

◆目指せ! 100年企業。 成功する事業承継のノウハウをズバリ伝授!

◇本書「はじめに」より抜粋

本書の編・著者であるミッドランド税理士法人アライアンスは、中部地方(midland)に点在する5つの〝会計事務所を核とした税務・経営サービス・グループ〟同士の連合で、それぞれが独立した経営体でありながら有機的に結びつき、得意分野を持ち寄ることで、総合的にハイ・レベルな税務・経営サービスの実現を図っている集団です。 我々は、本業である税務・会計業務以外にも、経営にかかわる様々な相談を受けていますが、その数ある相談の中で最近増えてきているのが事業継承、とくに後継者に関する相談です。 後継者に関しては、日本中の多くの中小企業が問題を抱えていて、帝国データバンクの調査によると、対象となった40万社のうち、実に2/3が「適当な後継者がいない」と回答しています。 「適当な後継者がいない」としている中には、そもそも事業を承継すべき子息がいないケースが多いのですが、我々のところには、「子どもはいるのだけれど、なかなか安心して経営をまかせられない」という先代社長からの相談や、逆に、「新しいことに挑戦しようと思っても、先代である父(母)親が反対して、思うように事業が進められない」という後継者からの相談も目立つようになりました。 親としては、自分の会社は、できれば他人ではなく、自分の息子や娘に継いでもらいたいと考えるのが通常です。 しかし、それでも、後継者にすんなりとバトンタッチできない例が少なくありません。 一方、後継者の多くは、経営者の子どもとして生まれ、親の背中を見て育ち、いずれ親の跡を継ぎ経営者になるつもりで、これまでの人生を歩んできた人たちです。 「ナンバー2ぐらいの方が気楽でいい」と思う反面、なかなか経営をバトンタッチしようとしない親に対して、「親父は自分のことを半人前扱いして、いつまで経っても会社の経営をまかせようとしない」とも思っています。 経営を譲る側の先代と、事業を承継する側の2代目との間に、なぜ、このような捻じれが生じているのでしょうか? 後継者の経営手腕に対して、不安の声を上げられる先代社長が非常に多いのは事実ですが、翻って考えれば、事業を引き継ぐ立場の後継者が、先代を納得させるだけのビジョンと実力を明示しさえすれば、多くの場合、問題は解決するはずです。 要するに、「今はまだ、それができていない」ということなのです。 単純なコミュニケーション不足であれば、そんなに大きな問題ではありませんが、もし、経営者として本当に実力が足りていないのだとしたら、この先に、まだ踏むべきステップがあるということです。 仮に、後継者が育つまでということで、中継ぎに有能な従業員が社長になったとしても、結局は、後継者として力をつけなければ、跡は継げないのです。 そこで、本書は、アライアンス・メンバーである豊田オフィスで実際に使用している経営支援ツール「UTENA」をベースに、我々アライアンスの叡智を結集し、「経営者として会社を維持・発展させるために必要な経営ノウハウ」と「経営ビジョンのまとめ方」を、併せて学べるよう編集してあります。 何を隠そう、我々アライアンスに所属する5グループの経営陣には、創業者が5人、2代目経営者が5人いて、それぞれが試行錯誤を繰り返しながら今日に至っているので、創業者の悩みも後継者の悩みも十分理解できますし、後継者が踏むべきステップも心得ています。 要所には、ワークシートを用意しましたので、ざっと目を通すだけでなく、実際に作業を行い理解を深めるとともに、今後進むべき道をしっかりと見定めていただきたいと思います。 「何となく」で問題は解決しないことが、お分かりいただけるはずです。 本書が、悩める後継者の活路を見出す一助になることが、我々にとっての大きな喜びです。 どうぞ、本書を存分にご活用ください。

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